蕎麦屋の恋
蕎麦屋の恋
posted with amazlet on 07.07.12
姫野 カオルコ
角川書店 (2004/09)
売り上げランキング: 98105
おすすめ度の平均: 4.0
3 完成の域か
5 登場人物のほほをなでる風の温度が感じられる小説

『ツ、イ、ラ、ク』とか『ハルカ・エイティ』ですっかり気に入ってしまった姫野カオルコさんの短編集。
外出先で読んでた本が終わってしまい、飛び込んだ本屋さんで見つけた一冊です。お蕎麦が好きなので、このタイトルに惹かれて買ってしまいました。
表題作の「蕎麦屋の恋」をはじめ、3つの短編が収められていますが、全ページの半分をこの蕎麦屋の恋が占めています。高卒でそろばんが得意なサラリーマン健一と、寿司屋職人を目指す妙子との、ちょっとした心のふれあいを描いた作品です。恋愛小説といえばそうなるのでしょうけど、性愛の描写はまったくありません。
あたしはこの妙子が求めるモノがとてもわかる。好きな人とこたつに入りながらテレビを見る。そんな当たり前の日常を渇望する妙子――――。あたしにもそんな日常はない。
家族とか家庭とか、誰しも当然のように持っていたものが失われつつある都会での生活。そんな日常にちょっと疲れたとき、ふとそんなたいしたことないことが恋しくなる。
ただテレビをみるだけに入るラブホテルの「ご休憩」。そういう気持ちをわかってくれない世の男性諸君、この本を読んで勉強してくれたまえ(笑)。


あと、2番目の「お午後のお紅茶」はシニカルでオススメ。こんなお店、ありますよね(^^)


評価は★★★☆☆。いい意味で平均点。ほっこりしたいときに読んでみてくださいね。